制御リレーとは何か?種類・接点構成・選定ポイントを徹底解説
制御リレー(継電器)は、外部からの電気信号を受け取り内部のスイッチ(接点)を動作させて別の回路をオン/オフ切り替えする電気部品です。小さな制御信号(コイルへの微小電流)によって大きな負荷電流の開閉を行えるうえ、入力回路と出力回路を電磁的に分離できるため、異なる電源間のインターフェースや絶縁素子として機能します。
本記事では、制御リレーの役割と仕組み、リレーの種類(有接点リレー/無接点リレー、および中継リレー・セーフティーリレー・タイマーリレーなど用途別の種類)、接点構成(a接点・b接点・c接点)やコイル定格電圧などの仕様、さらにリレー選定時のポイントについて、最新情報を交えて分かりやすく解説します。
制御リレーの役割と基本原理
まず、制御リレーの果たす役割と動作の原理を説明します。制御リレーは入力側のコイルに電圧を加えると磁力が発生し、可動鉄片(アーマチュア)を引き付けて機械的に接点を開閉します。これにより「小さな電流で大きな電流を制御できる」という重要な役割を担い、例えばPLCのDC24V出力信号でAC100Vの機器をオン/オフ制御することも可能です。
またコイル側と接点側の回路は電気的に接触していないため、制御用の低電圧回路と動力用の高電圧回路の橋渡しを安全に行える点も大きなメリットです。つまりリレーは「受け取った電気信号を別の機器へ渡す」中継役を果たし、エレベーターや工作機械などあらゆる制御システムで信号伝達・増幅に活用されています。繰り返しになりますが、制御リレーによって小さな制御信号で大きな負荷を駆動し、異なる電源同士を切り離して安全に制御できるため、古くから現在まで制御回路の中核部品として利用され続けています。
制御リレーの種類と特徴
制御リレーには様々な種類があり、大きく分けて有接点リレー(メカニカルリレー)と無接点リレー(ソリッドステートリレー、SSR)があります。有接点リレーと無接点リレーの違いを説明します。
有接点リレーは内部に物理的な接点があり、コイル通電による電磁力で可動接点を動かして回路を開閉する仕組みです。一方、無接点リレーは機械的接点を持たず、内部の半導体素子(例えばフォトカプラやトライアック、MOSFETなど)によって電気信号を出力側に伝達します。有接点リレーでは動作時に「カチッ」という動作音や接点の摩耗・劣化が発生しますが、無接点リレーは可動部がないため動作音がなく接点摩耗も起こらず、メンテナンスフリーで長寿命・高速応答を実現できるのが特徴です。
ただしSSRは内部にわずかな漏れ電流が流れることや出力側に電圧降下が生じる特性もあり、過大な高電圧・大電流の負荷には向かないうえ放熱対策が必要になる場合があります。一方、有接点リレーは機械的な接点動作により比較的大きな電流や高電圧の開閉に適している利点があります。このように両者には一長一短があるため、制御対象や用途に応じて適切な種類を選定することが重要です。
用途に応じた主なリレーの種類
制御リレーには用途別に特化した様々なタイプが存在します。一般的な制御盤の中継用途には汎用リレー(中継リレー、I/Oリレー)が使われます。これはPLCなど制御機器の出力信号を増幅したり、異なる電圧レベル間を絶縁してインターフェースするためにDINレール上に配置されるリレー端子台です。安全関連の回路にはセーフティーリレー(安全リレー)があります。安全リレーは強制ガイド接点という特殊構造を備え、万一一方の接点が溶着しても他方のa接点・b接点が同時に作動しないよう機械的に連動しています。この仕組みによりリレー自身の接点故障を検出できるため、非常停止回路など人命に関わる安全系統に必須の部品です。一定時間遅れて動作・復帰するタイマーリレー(限時継電器)も広く用いられています。
タイマーリレーはコイルへの入力信号後、設定した遅延時間が経過してから接点を開閉する制御機器で、オンディレイ・オフディレイなどの遅延動作モードにより所定のタイミングで出力を切り替えます。例えばモーター停止後のクールダウンのためにファンを一定時間回し続ける遅延停止や、複数の設備を順次立ち上げる際のタイミング調整などに活用されます。
その他にも、電圧や電流・位相などを監視して異常時に出力をオフにする監視リレー(モニターリレー)、微小信号切り替え専用の信号リレー、高周波信号の切替用高周波リレー、自動車の電装用車載リレーなど、多種多様なリレーが用途に応じて存在します。これらを制御盤で適材適所に組み合わせることで、センサー信号の絶縁・増幅、他の開閉器やアクチュエータとの連動、安全遮断や遅延動作など、柔軟で高度な制御ロジックを構成することができます。
制御リレーの接点構成と仕様の基礎
ここからは、制御リレーの接点構成や定格といった主要な仕様について基礎から解説します。リレーを正しく選定・使用するには、接点の形式(動作方式)と極数からなる「接点構成」や、開閉できる電圧・電流の範囲を示す「接点定格(定格制御容量)」、さらにコイルの定格電圧やリレー本体の取り付け方法といったポイントを理解しておくことが重要です。
接点構成の種類
リレーの接点は動作時の状態により、いくつかの形式に分類されます。代表的なのがa接点・b接点・c接点です。a接点(NO接点、常開接点)は通常時に開いており、コイルに通電するとオン(閉じる)状態になる接点です。一方b接点(NC接点、常閉接点)は通常時に閉じていて、コイルに通電するとオフ(開く)状態になる接点です。c接点(トランスファ接点)は1つの共通端子に対しa接点とb接点が対になった構成で、コイル非通電時は共通端子がb側と導通し、通電時はa側と導通する切り替え接点です。リレーによってはこれら複数の接点を内部に持つものもあり、例えば「2c接点」といえば独立したc接点が2組あることを意味します。同様に「1a1b接点」はa接点とb接点が一組ずつある構成を指します。制御したい回路の数に対して接点数(極数)が足りない場合は、リレーを複数用いることで複数回路を同時制御することも可能です。
接点定格(定格開閉容量)
リレーの接点には開閉できる電圧と電流の上限値があります。カタログには「例えば接点定格AC250V 5A」などの形で記載されており、制御する負荷の電圧・電流がこの定格範囲内である必要があります。接点定格は通常、抵抗負荷の場合の値が基準として示されます。モーターやソレノイドなど誘導負荷やコンデンサ負荷の場合、同じ定格でも開閉時に発生するアーク(火花)による接点劣化が大きく、寿命が短くなる傾向があるため注意が必要です。メーカーによっては抵抗負荷以外のケースでは「実機で評価が必要」と注意喚起している場合もあります。安全に長期間使用するには、誘導負荷ではメーカーの寿命特性・負荷分類に基づき十分な余裕を持たせて選定してください。
定格を超える過大な負荷で使用すると、接点の溶着や焼損など致命的な故障につながるため、リレーの仕様書やカタログ記載の適用負荷範囲内で使用してください。必要に応じて実際の負荷を用いた動作試験を行い、問題ないことを確認することも大切です。
コイル定格電圧
コイル定格電圧とは、そのリレーのコイルを動作させるために必要な印加電圧の値です。製品ごとに「DC24V」「AC100V」など規定があり、直流用コイルと交流用コイルがそれぞれ存在します。制御盤内の制御電源電圧に合わせて同じ定格のリレーを選ぶ必要があります。例えばPLCの24V出力で直接リレーを駆動するならDC24Vコイルのリレーが一般的ですし、市販の交流制御回路から取る場合はAC200VやAC100Vコイルのリレーを使用します。
ポイントは、必ずコイル定格の範囲内の電圧を印加することと、コイルの種別(交流/直流)を正しく守ることです。コイル定格電圧の確認を怠ると「コイルに電圧をかけたのに動作しない」「コイルが過熱して故障した」といったトラブルにつながるため、必ず仕様上適合するものを選定しましょう。
取り付け方法
制御リレー本体の取付形態にもいくつか種類があります。一般的には以下の方式があります。
- プリント基板直付け型: リレーをプリント基板上に直接はんだ付け実装するタイプです。コンパクトに実装できますが、交換する際は半田作業が必要になります。
- ソケット(プラグイン)型: リレーをソケット(リレーソケット)に差し込んで使用するタイプです。ソケット自体を盤内シャーシやDINレールに固定しておき、リレー本体は差し替えるだけで着脱できます。メンテナンス性が高く、複数の同一リレーを並べて実装できるため制御盤で多用されます。
- 端子台一体型: リレーと入出力端子台が一体化しており、そのままDINレールやパネルにねじ固定できるタイプです。配線のしやすさと実装の簡便さを両立しています。
- その他特殊形態: 上記以外にもメーカーにより特殊な取付形態があります。例として、リレー本体上面をパネルに直接ねじ留めしリレー端子部はリセプタクル(差込端子)で配線する「パネル取付(表面実装)型」などがあります。
一般的な制御盤用リレーでは、保守交換の容易さからソケット取付型が多用されます。一方、基板実装型は電子機器内部など交換頻度が低い用途で使われる傾向があります。近年は端子台一体型も増えており、省配線・省スペースに貢献しています。リレーを選ぶ際は盤内のスペースや他部品とのクリアランス、奥行きも考慮し、物理サイズ的に収まるかも確認しましょう。
リレーは動作時に発熱するため、隣接リレーとの適度な間隔確保や盤内の放熱にも配慮が必要です。なお、当社RSLシリーズなど約6mm幅程度の超薄型リレーであれば従来型リレーの約1/4の占有幅となり、配線ダクト間の高さも抑えられるため省スペース設計に有効です。 このように、取付形態やサイズもリレー選定時の重要なチェックポイントとなります。
制御リレーを選ぶ際のポイント
ここからは、具体的に最適な制御リレーを選定するために押さえておきたいポイントを解説します。制御リレー選定の基本はズバリ「用途」「接点仕様」「動作機能」「コイル電圧」「取り付け方法」の5つです。それぞれ順に見ていきましょう。
用途に適したリレーの種類を選択する
最初に、使用する用途に合ったリレーの種類を選ぶことが重要です。前述の通りリレーには用途別に様々なシリーズがあります。例えば比較的大きな電流を開閉するパワーリレー、一般的な制御用途の汎用リレー、微小な信号専用の信号リレー、安全回路用の安全リレー、高周波信号切替用の高周波リレー、車載向け自動車用リレーなど、それぞれ設計思想や接点構造・材質が異なります。一般には「開閉する負荷電流が2Aを超えるならパワーリレー、2A以下なら信号リレーを使う」等の基準があります。
また安全回路には強制ガイド付き接点の安全リレー、高電圧DC用途にはアーク消化対策を施した直流高容量リレー、といったように用途ごとに専用品を選ぶことで信頼性や性能を確保できます。まずはご自身のアプリケーションに求められる要件(負荷の種類・電圧・電流、必要な安全機能の有無など)を整理し、それに合致する種類のリレーシリーズから候補を絞り込みましょう。
必要な接点構成と定格を満たすことの確認
次に、選んだリレーの接点構成および定格が要求を満たすか確認します。具体的には「接点構成(極数とa接点/b接点の組み合わせ)」と「定格開閉容量(接点定格)」の2点です。制御したい回路の数だけ十分な接点数(極数)があるモデルを選ぶ必要があります。例えば複数回路を同時にオンオフしたい場合は2極や4極のリレーが必要ですし、自己保持回路を組むにはa接点とb接点の両方を持つc接点(または1a1bの組合せ)が便利です。また接点定格については先述の通り、リレーのカタログ値よりも負荷側の電圧・電流が低い範囲で使うのが基本です。
リレーの動作機能(無極・有極・ラッチング)の有無
リレー固有の動作機能も選定時にチェックすべきポイントです。標準的な電磁リレーはコイル端子に極性指定がなく、直流の場合どちらの向きに電圧を加えても動作する無極性リレーです。一方で有極リレーと呼ばれるものは内部に永久磁石を組み込んで高感度化したタイプで、コイル端子に極性(+-)があり逆接続では動作しません。有極リレーは少ない電力で動作できる反面、配線時には極性間違いに注意が必要です。
また、有極リレーにはラッチングリレー(自己保持型)といって、一度動作させるとコイル通電を切ってもそのまま接点の状態を保持できるタイプも存在します。ラッチングリレーではセット用とリセット用のコイルが別になっているか、あるいはコイルへの通電極性を切り替えることでセット/リセット動作を行います。ラッチング機能の利点は、一度オン/OFFした状態を維持するのにコイル通電を継続する必要がないため回路の消費電力やコイルの発熱を大幅に抑えられる点です。
停電復旧後も直前の接点状態を保持しておきたい回路や、できるだけ消費電力を減らしたい用途に適しています。ただし反面、振動や衝撃によって意図せず接点が戻らないようにする配慮や、ラッチング状態のリセット忘れにも注意が必要です。以上のように、必要に応じて無極/有極の種別やラッチング機能の有無も考慮してリレーを選びましょう。
コイルの定格電圧と種別を選択する
続いてコイル定格電圧についてです。リレーのコイルには前述の通り直流用(DC)と交流用(AC)があり、定格電圧も様々な値のものがラインナップされています。制御盤で一般的によく使われる制御電源はDC24Vですが、装置の制御方式によって適切なコイル電圧のリレーを選定してください。例えばPLCのトランジスタ出力で直接リレーを駆動する場合はDC24Vコイルのリレーが定番ですし、AC100V回路から制御信号を取る場合はAC100Vコイルのリレーが適します。重要なのは、使用する制御電源の電圧・種別に合致したコイル定格のリレーを選ぶことです。また、コイル定格電圧が同じでも機種によってコイルの消費電力(定格消費VA/W)が異なります。
コイルの消費が大きい機種を多数同時に投入(オン)すると、制御電源に一時的に大きな負荷がかかる場合があります。リレー選定時には電源容量の観点からも、複数のリレーを同時動作させても電圧降下や容量不足とならないか確認しましょう。特に大規模なリレー回路では、複数のコイルを一斉にオンさせないよう投入タイミングをずらす(シーケンス制御で順番にオンする)工夫や、コイル駆動回路にサージ吸収や定電圧機能を持たせることも有効です。
リレー本体の取付方法とサイズを考慮する
最後に取り付け方法とリレーの物理サイズも考慮します。制御盤内のスペースに制約がある場合、小型で薄型のリレーを選ぶことで省スペース化に寄与します。例えば幅6mm程度のスリムリレーであれば従来型リレーの約1/4の占有幅で済み、配線ダクト間の高さも抑えられるため省スペース設計が可能です。取り付け形態については前述のように、プリント基板実装型は基板上でコンパクトに収められますが交換時にははんだ作業が伴います。
一方、ソケット(プラグイン)型はDINレール上のソケットに差し込むだけで着脱できるためメンテナンスが容易です。また端子台一体型リレーは配線しやすく実装も簡便です。そのほか、設置予定の盤レイアウトをイメージしながら、隣接機器とのクリアランスや奥行きも含めリレーが物理的に収まるサイズか確認します。リレーによっては動作時に発熱するため、周囲との適度な間隔確保や換気も必要です。加えて取付用のDINレールが必要かどうか、ソケットに表示灯(動作表示LED)やサージ吸収素子が付属しているか、といったオプションの有無もチェックポイントになります。
保護回路モジュールの活用
制御リレーを安定かつ長寿命で使用するためには、リレー本体だけでなく保護回路モジュールの有無も重要な選定ポイントです。リレーの接点は誘導負荷(モーター・ソレノイド・リレーコイルなど)を開閉する際、逆起電力やサージ電圧が発生しやすく、そのままでは接点の焼損・溶着や誤動作の原因となります。
そのため、メーカーが提供するサージ吸収回路(RCスナバ、バリスタ、ダイオード)や表示灯を内蔵した保護モジュールをソケットに組み合わせて使用することで、以下のメリットが得られます。
- 接点の寿命延長:逆起電力の影響を吸収して接点のアーク劣化を抑制。
- 誤動作防止:ノイズ抑制によってPLCや他回路への影響を最小化。
- メンテナンス性向上:ソケットにモジュールを差し込むだけで後付け可能。
特に制御盤のように複数のリレーが並列で動作する環境では、保護回路の有無が安定稼働に直結します。したがって、リレー選定時にはソケットや端子台に保護モジュールを組み合わせられるかどうかも必ず確認しておきましょう。以上のポイントを総合的に検討することで、きっと目的に合った最適な制御リレーを選定できるはずです。
信頼できる制御リレーを選ぶには(まとめと当社製品のご紹介)
ここまで見てきたように、制御リレーは種類や仕様が多岐にわたりますが、要件に合った適切な製品を選ぶことで安全で効率的な制御システムを実現できます。最後に、信頼性の高い制御リレーを選ぶポイントとして、できるだけ実績が豊富で品質保証のしっかりしたメーカーの製品を採用することをおすすめします。
シュナイダーエレクトリックの制御リレー製品は、グローバルで豊富な採用実績を有しています。当社が提供する汎用のHarmony電磁リレー(プラグインリレー)製品群には、スリムタイプのI/Oリレーから大電流対応のパワーリレーまで多数のラインナップがあり、いずれも国際規格に適合した高信頼設計です。
具体的にはミニユニバーサルリレー(RXMシリーズ。標準モデル: RXM*AB/GB、ローコストモデル: RXM*LB)、スリムI/Oリレー(RSLシリーズ)、スリムインターフェイスリレー(RXGシリーズ)、大電流スイッチング用のパワーリレー(RPMシリーズ)といった製品がラインナップされています。
Harmony電磁リレー | Schneider Electric 日本
また、電圧・電流・位相の異常検出用にはHarmony監視リレー(RMシリーズ)、時間遅延制御が必要な用途にはHarmonyタイマーリレー(REシリーズ)が用意されており、いずれも制御盤の省スペース化や配線容易化に配慮された設計となっています。
このような豊富な製品群を活用することで、前述の中継リレーによるインターフェース実装やタイマーリレーによるシーケンス制御の最適化といった課題をワンストップで解決できます。制御リレー選びに迷った際はぜひ当社までご相談ください。専門スタッフがお客様の用途に合った最適なソリューションをご提案し、信頼性の高い制御システム実現をサポートいたします。
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