エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、新しいスイッチギヤ「SM AirSeT」のグリーンかつデジタルな中電圧技術が評価され、Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)のトップ10イノベーションに認定されたことを発表しました。この技術により、電力系統や産業用電気設備に標準的に使われてきた、温室効果ガスの六フッ化硫黄(SF6)からの脱却が可能となります。
Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)は、21世紀の最大の環境問題を解決するために安倍晋三前首相の提唱で発足した国際会議で、各国の第一人者が知恵を出し合いエネルギー・環境技術におけるイノベーションを発信することを目的としており、2014年以降毎年、日本政府主導のもと東京で開催されています。会議にて選定されるトップ10イノベーションは、エネルギーと寄稿返送の緩和における最近の革新的な開発の中から特に優れた事例を選出するもので、エネルギー・環境分野における社会変革への貢献が期待される技術開発・普及事例を紹介しています。
シュナイダーエレクトリックのエグゼクティブバイスプレジデント-パワーシステムプレジデントのフレデリック・ゴデメル(Frederic Godemel)は、以下のように述べています。「私たちは、MITや米国パシフィックノースウェスト国立研究所(PNNL)などの優れた機関から認められたことを光栄に思います。 これまで使われてきた温室効果ガスをクリーンな空気に置き換えた我々の新しいSF6フリー技術は、電力系統の脱炭素化と、真にクリーンな電力システムの実現への重要な一歩を実現したと言えるでしょう。」
また、「業界のリーダーとして地球温暖化との闘いに挑んでいる我々にとって、電力を脱炭素化する新しいテクノロジーを提供できるのは大きな誇りです。 この意義深い認定に深謝するとともに、ICEFが環境問題解決のために、グローバルなコラボレーション促進という重要な使命を果たしていることにも、感謝の意を表します」とも述べました。
「SM AirSeT」の中圧*開閉装置には、シュナイダーエレクトリックの新しいシャント真空遮断(SVI)技術と組み合わせたクリーンな空気絶縁を使用しています。物理的にコンパクトな設置面積や費用対効果、信頼性の高い動作モードなど、SF6ガスを用いた従来型装置のメリットはそのままに、グリーンテクノロジーを採用することが可能となります。
シュナイダーエレクトリックは、他にもスウェーデンのE.ONやフランスのGreenAlp、ニューカレドニアのEEC Engieなど多くの電力会社で、SF6ガスを用いない中圧*スイッチギヤを導入したパイロットプロジェクトが成功したことを報告しており、商用および産業用の民間電力ネットワークを含め、定期的なエネルギー供給に貢献しています。
今回の選出以前にも、シュナイダーエレクトリックの「SM AirSeT」の技術は、今年7月にハノーバーメッセ(ドイツのニーダーザクセン州ハノーバーで例年開催される世界最大の産業見本市)から、Industrial Energy Efficiency Awardを受賞しています。この賞は、エネルギー効率の高いソリューションへの投資と、その適用に対する企業の取り組みを表彰する賞で、独立した市場調査・コンサルティング会社であるEuPD Research社との連携により、ハノーバーメッセデジタルデイズにてイベント主催者のドイツメッセから授与されました。選定にあたり、その革新性の熱量、エネルギー効率への貢献、経済的ベネフィット、社会的持続可能性が、審査員の評価基準となっています。また、同じくドイツメッセが表彰する別の産業賞HERMES Award (ハノーバーメッセの開会式において毎年発表される技術賞で、産業革新において世界的に最も名誉ある賞)の候補にも選出され、ファイナリスト3社にノミネートされました。今年5月には、国際的なデザイン振興機関である、インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーバー(通称iF)主催の世界的なデザイン賞、「iFデザインアワード」も受賞しています。
この新しい中圧*スイッチギヤは、状態監視用のセンサーから、シュナイダーエレクトリックのEcoStruxure™ アーキテクチャやプラットフォームなどの高度な分析ツールにデータを供給し、予測的・予防的な資産管理に役立てるなど、より効率的なデジタル技術の活用にも大きく貢献します。
*中圧=7.2kV~24kV