ソフトウェア・デファインド・オートメーションと仮想PLCは、 産業オートメーションシステム に対するソフトウェア中心のアプローチに重点を置いていますが、いくつか重要な違いがあります。

• 仮想PLC: 標準PLCの仮想実装は、専用のハードウェアプラットフォーム上ではなく仮想環境で実行されています。オートメーションロジックは引き続きその固有の仮想PLCに関連付けられています。
• ソフトウェア・デファインド・オートメーション： さまざまなタイプのオートメーションハードウェアとソフトウェアの管理を含む、オートメーションエコシステム全体に関連する幅広いコンセプト。ITの洞察を活用して、従来の産業用ソフトウェアでは利用できないIT/OTの柔軟性を提供します。制御は特定のハードウェアに縛られているわけではなく、ユーザーはオートメーションに対するニーズの高まりに応じ、必要に応じて制御を実行する柔軟性を持っています。

ここでは、レガシー制御システムから当社の プラントオートメーションソフトウェアへの移行が有意義である理由を示す主な例をいくつか紹介します：

1. ハードウェア供給の柔軟性

• 顧客にとって、特に新型コロナウイルス感染症の世界的流行のような供給不足の際には、単一のオートメーションシステムハードウェアプロバイダとの取引には課題があります。顧客の多くは、ハードウェアの可用性の制限と、自社の 産業オートメーションシステムに合ったハードウェアを選択するうえでの柔軟性の欠如のため、プロジェクトの遅延に直面しました。
• 当社の プラントオートメーションソフトウェア は、ハードウェアに依存しないアプローチを提供するため、最適なハードウェアを選択して納期を最適化することができます。ユニバーサルオートメーションを使用すると、多くのハードウェアプロバイダーが共有ソースIEC 61499ランタイムをサポートするため、顧客はプロジェクトの要件に最も適したハードウェアを柔軟に選択できます。

2. 制御の柔軟性

• 制御は、メンテナンスの問題が発生した場合に利用できるかどうかわからない専用のPLCに縛られるべきではありません。EcoStruxure Automation ExpertのSoft dPACを使用すれば、エッジで実行し、ハードウェアの柔軟性のためにコンテナ化された非依存アプローチを利用する柔軟性をもって、従来のPLCと同様の機能とパフォーマンスを得ることができます。
• EcoStruxure プラントオートメーションソフトウェア は、デバイス間で制御ロジックを移動する完全な柔軟性を提供します。資産中心のアプローチにより、顧客はメンテナンスの問題発生時にはネットワーク上の別のデバイスやスペアに制御を移動し、プラントの設備能力を向上させることができます。ハードウェア構成を変更しながら実行中のプロセスを維持するという柔軟性が得られます。
• プラントのハードウェアアーキテクチャを設計する際に、キャビネットスペースが制約となることがよくあります。Soft dPACベースのエッジコントローラーを使用し、同じボックス内で制御、HMI、履歴データ管理、分析を提供するデバイスを活用することで、ハードウェアのフットプリントを削減できます。

3. プロセスの最適化

• イベントベースの制御とITの接続性を活用することで、顧客は、当社の プラントオートメーションソフトウェアを使用してプロセスを真に最適化する機会が得られます。ネイティブAPIとITプロトコルサポートにより、顧客はSchneider Electricが提供する、またはカスタム生成のAIアルゴリズムと連結する機能を使用して、プラントデータに全面的にアクセスできます。

4. エンジニアリングセービング

• 再利用性は、EcoStruxture Automation Expertの重要な要素です。お客様は、それぞれの個人用ライブラリのプラント資産をカスタマイズできます。これらの資産は、将来のプロジェクトで再利用することができ、「ローコード/ノーコード」エンジニアリングエクスペリエンスを提供します。
• AVEVA製品との完全な統合により、市場における従来の産業用制御オプションと比べて、大幅なエンジニアリングセービングを実現します。 プラントオートメーションソフトウェア には、制御ロジックとAVEVA System Platformテンプレートを格納する定義済みライブラリー要素が含まれており、HMIキャンバスの構成が容易となります。バルクエンジニアリングとリバースエンジニアリング、Automation Expertプラグインにより、従来のP&ID図から直接、制御ロジックとHMI画面のインスタンスを作成すことができ、エンジニアリングにかかる労力を大幅に削減することができます。

EcoStruxure Automation Expertは、AVEVA System Platform(ASP)、AVEVA OMI、AVEVA Historian、AVEVA Batch Manager、AVEVA Engineering、AVEVA ConnectなどのAVEVAの全ポートフォリオをサポートし、密接に統合されています。この密接な統合により、従来のオートメーション製品と比較して、大幅なエンジニアリングセービングを実現することができます。

Automation Expertは、HMIキャンバスの自動構成のための制御ロジックとAVEVA System Platformテンプレートを含む定義済みのライブラリー要素を使用する資産に焦点を絞ったアプローチを特長とし、エンジニアリングプロセスを合理化できます。

当社の プラントオートメーションソフトウェア は、AVEVAで優先される通信プロトコルである通信基盤としてOPC-UAに基づいて構築されました。これは、Automation Expertライブラリ資産にはOPC-UA通信がすでに構成されており、ネイティブ統合をサポートするため、追加のエンジニアリング業務は不要です。

EcoStruxure Automation ExpertのSoft dPACは単なる仮想コントローラーではありません。これは、コンテナ化された、完全に非依存のランタイムで、仮想化ハードウェアの抽象化だけでなく、ロジカルコントローラーの抽象化も可能にします。

これは、標準の自動化製品で利用可能な標準のコントローラーベースのアプローチに対して、EcoStruxure Automation Expertを使用した資産ベースのアプローチを使用することで達成できます。

Ecostruxure Automation ExpertのSoft dPACを使用するとき、次の 制限事項 はもはや過去のものです。

• 設備投資のコストが高く、長期のアップグレードサイクルを余儀なくされるクローズド/プロプライエタリシステムが不要になります。
• ITインテグレーションサポートのない、カスタマイズ不可能なブラックボックスシステムが不要になります。
• プラントを時間の経過と共に変更する必要がある場合や、アップグレードが必要な場合でも、高いエンジニアリング費用は不要です。
• ハードウェアの可用性とパフォーマンスのカスタマイズの柔軟性が向上します。

Soft dPACは、さまざまなベースラインパフォーマンス要件を満たす任意のLinuxデバイスで実行できます。これにより、顧客は特定のニーズに応じてデバイスのカスタム構成を作成したりプリインストールされたエッジコントローラー製品を使用したりでき、Linux環境での経験を必要としません。

インダストリー4.0は、オペレーショナルテクノロジーの世界におけるスマートマニュファクチャリングとデジタルトランスフォーメーションに関するすべてです。目標は、データを活用して生産性を高め、非常に伝統的な製造の世界で機敏性と柔軟性を実現することです。当社の プラントオートメーションソフトウェア は、当社の目標がオープンで機敏性と柔軟性の高い産業用オートメーションソリューションの構築であるため、インダストリー4.0と完全に整合します。

• 可能な限り多くのOTおよびITプロトコルをサポートするためオープンで 、顧客は貴重なデータを管理し、機械学習やAIツールと統合して最適化することができます。これにより、IoTスマートデバイスの密接な統合と、これらのデバイスからのデータを管理する機能も実現します。
• 資産ベースの方法を提供するため機敏性があり 、新しいユニットやポンプの追加は、ドラッグアンドドロップと同じくらい簡単です。これにより、ローコード/ノーコードのエンジニアリング環境が実現し、従来のOTコーディングの経験がなくても、プラントのリソースを効果的に活用できます。
• 産業用ソフトウェアとハードウェアの分離により柔軟性があるため 、顧客が適切だと思うように制御ロジックを移動させることができます。これは、顧客が産業用オートメーションシステムへのわずかな追加投資でハードウェアをアップグレードできるようにすることで、従来のOTモデルを打破します。

当社の プラントオートメーションソフトウェア は、製造業界でリアルタイム制御を最適化する新しいイベントベースの規格であるIEC 61499を活用しています。イベントベースの制御は、迅速なデータアクセスを提供し、ITシステムの迅速なデータへのニーズに対応し、MQTTスパークプラグやOPC-UAなどのITプロトコルとの簡単なインターフェースを実現します。これにより、機械学習やAIテクノロジーを用いた効率的なデータ管理が可能になります。

EcoStruxure Automation ExpertのSoft dPACのコンテナ化されたランタイムにより、ITツールとのシームレスな統合を実現します。顧客は、Kubernetes、Docker、Portainer、Red Hat OpenShiftなどの従来のIT管理システムを使用して、コンテナ化されたコントローラーを管理することができます。