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Traceability - Nestle Waters (Perrier) Customer Story

【徹底解説】トレーサビリティとは?製造業における重要性、仕組み、導入事例を解説

目次

1. はじめに

1.1 製造業におけるトレーサビリティとは?
1.2 トレーサビリティの種類
1.3 製造業におけるトレーサビリティとは

2 消費者の関心が高まる背景
2.1 安全意識と倫理観の向上
2.2 情報化社会の発展
2.3 持続可能性への関心

3. 製造業におけるトレーサビリティの重要性
3.1 リスク管理の強化
3.2 顧客満足度の向上
3.3 コスト管理・削減

4.トレーサビリティを向上させる方法
4.1 OTによるトレーサビリティ向上
4.2 ITによるトレーサビリティの向上

5. 近年特にトレーサビリティが注目されている業界
5.1 食品業界:食品安全衛生法に基づくトレーサビリティ義務
5.2 医薬品業界:医薬品医療機器法に基づくトレーサビリティ義務
5.3 自動車業界:リコール制度に基づくトレーサビリティ活用
5.4 電子機器業界:電気用品安全法に基づくトレーサビリティ義務
5.5 化学物質業界:PRTR法に基づくトレーサビリティ義務

6. 【事例】MESソリューション導入による醸造所IBBLにおける追跡・トレーサビリティの精度と効率の向上
6.1 導入の背景
6.2 原料の受け入れから製品の出荷までの全工程を可視化
6.3 自動化されたデータ収集と分析
6.4 トレーサビリティシステムの自動化
6.5 サプライチェーン全体のパートナーとの連携

7. ラインナップ紹介
7.1 DXコンサルティングサービス
7.2トレーサビリティ向上を実現!ProLeitブランド プラントレベルスタート

1. はじめに

1.1 トレーサビリティとは

トレーサビリティとは、製品や部品、原材料などの「モノ」の流れを追跡し、記録・管理することです。英語では「Traceability」と呼ばれ、「追跡可能性」という意味合いを持ちます。

1.2 トレーサビリティの種類

トレーサビリティは主にチェーントレーサビリティと内部トレーサビリティの2つに大別されます。
チェーントレーサビリティ:
チェーントレーサビリティは、サプライチェーン全体における製品や部品の移動履歴を追跡するものです。原材料の調達先から製造業者、販売業者、消費者までの全ての段階を記録・管理することで、問題が発生した場合に迅速な原因究明と対策が可能となります。
内部トレーサビリティ:
内部トレーサビリティは、企業内部における製品や部品の製造工程や物流工程を追跡するものです。製造工程における作業内容や検査結果、物流工程における配送状況などを記録・管理することで、品質管理や生産効率の向上に役立てることができます。

1.3 製造業におけるトレーサビリティとは

製造業におけるトレーサビリティとは、原材料の調達から製品の販売、廃棄までのサプライチェーン全体を可視化し、すべての工程を追跡・記録できる状態を指します。これは、製品がいつ、どこで、誰によって作られたのかを明確にすることを可能にし、品質管理の強化や規制遵守、効率性やサステナビリティへの貢献など、様々なメリットをもたらします。

2 消費者の関心が高まる背景

近年、製造業においてトレーサビリティが注目されています。トレーサビリティの関心が高まる理由はいくつかあります。

2.1 安全意識と倫理観の向上

近年、食品偽装問題やリコール問題などが相次ぎ、消費者の間で安全な製品への意識と、企業倫理に対する関心が高まっています。消費者は、自分が購入する製品がどのように作られているのか、どのような素材が使われているのかを知りたいと考えるようになり、トレーサビリティの高い製品を求めるようになっています。

2.2 情報化社会の発展

インターネットやSNSの普及により、消費者は企業に関する情報に簡単にアクセスできるようになりました。企業のホームページやソーシャルメディアだけでなく、口コミサイトやニュース記事などを通じて、様々な情報を得ることができます。消費者は、こうした情報に基づいて購買判断を行うようになり、トレーサビリティに関する情報も重要な判断材料の一つとなっています。

2.3 持続可能性への関心

地球温暖化や資源枯渇などの環境問題が深刻化する中、消費者は持続可能な製品を購入したいと考えるようになっています。それに応じて、企業はトレーサビリティ情報を積極的に公開し、消費者の信頼を得る努力が必要です。今後、特にグローバルで展開している企業は、よりサステナビリティに関する情報開示が求められると考えられます。トレーサビリティが高い製品は、原材料の調達先や製造過程が明確であるため、環境負荷の低い製品であることを確認しやすくなります。

3. 製造業におけるトレーサビリティの重要性

トレーサビリティが重要視されているのは以下の理由です。消費者ニーズを的確に把握し、トレーサビリティを積極的に取り組む企業は、ビジネスにおける高い競争優位性を獲得することができるでしょう。

3.1 リスク管理の強化

トレーサビリティを強化することで、以下のリスクを管理することができます。
製品リコールのリスク低減:
製品に問題が発生した場合、トレース可能であれば問題のある製品を迅速に特定し、回収することができます。これにより、被害を拡大するのを防ぐことができます。
偽造品の防止:
トレーサビリティがあれば、製品の真偽を認証することができます。これにより、偽造品が市場に出回るのを防ぐことができます。
サプライチェーンの不正行為の防止:
サプライチェーンにおける不正行為を検知することができます。これにより、企業の評判を保護することができます。

3.2 顧客満足度の向上

トレーサビリティを強化することで、以下の点で顧客満足度を向上することができます。
製品情報の提供:
消費者は、トレーサビリティを通じて、製品の原材料や製造過程に関する情報を得ることができます。これにより、消費者は製品についてより深く理解し、安心して購入することができます。
品質管理の向上:
トレーサビリティを強化することで、「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」が明らかになり、品質管理をより徹底することができます。従来のトレーサビリティでは、製品の流通過程に焦点が当てられがちでしたが、近年では中間過程の情報把握も重要視されています。中間過程とは、原材料調達から製品完成までの間に発生する様々な工程を指します。中間過程の工程が明らかになると問題発生時の責任の所在が明らかになるので、現場の意識向上に繋ります。結果的に、品質の向上につながると考えられます。
企業イメージの向上:
消費者は、トレーサビリティに積極的に取り組む企業に対して、信頼感や好感度を持つようになります。これにより、企業イメージを向上させることができます.

3.3 コスト管理・削減

トレーサビリティ強化の一環としてBOMデータを各プロセスに連携することで、コストを意識した競争力の高いモノづくりが可能になります。
標準原価の算定精度向上:
BOMデータと過去の生産実績に基づいて、より精度の高い標準原価を算定することができます。標準原価は、予算管理や実績との比較分析などに活用され、原価管理の基盤となります。
実際原価の把握:
各プロセスのデータと連携することで、部品調達費、人件費、製造間接費など、製品ごとに発生する実際原価を正確に把握することができます。
原価差異分析:
標準原価と実際原価の差異を分析することで、原価がどの工程で上昇しているのか、原因は何なのかを特定することができます。これにより、原価低減のための施策を効果的に立案することができます。
製品原価の見える化:
製品ごとの原価を可視化することで、利益率の高い製品と低い製品を分析することができます。また、顧客や市場ごとに製品原価を比較することで、価格戦略の策定に役立てることができます。

4.トレーサビリティを向上させる方法

トレーサビリティを向上させるには様々な方法が存在します。ITとOTに分け、説明します。現在、日本の工場では、生産工程を制御、管理するさまざまなソフトウェアが個別に存在しており、ITからOTまでをある程度包括しています。とはいえ、それぞれのソフトウェア間でデータ連携が行われていないため、新たに製品を製造するたびに要件を定義したり、Excelを介した手作業でデータの受け渡しをしたりするなど、非効率な業務が発生していると想定されます。OT側でデータを収集、IT側でデータを吸い上げ情報を管理し、トレーサビリティを高めることが必要です。

4.1 OTによるトレーサビリティ向上

OTは、工場の生産設備や制御システムなどを指します。OTの視点からトレーサビリティを向上させるためには、以下の方法が有効です。
識別タグの導入:
製品や部品に、一意に識別できる番号やコード(バーコード、QRコード、RFIDタグなど)を付与します。識別タグにより、製品の製造履歴や流通履歴を追跡することができます。
センサーの設置:
製造工程や物流工程において、製品の状態や環境に関するデータを収集するためのセンサーを設置します。センサーデータにより、製品の品質管理や異常検知に役立てることができます。
機械データの収集:
製造設備から稼働状況や故障情報などのデータを収集します。機械データにより、設備の効率化や保守管理に役立てることができます。
データ連携基盤の導入:
OT機器から収集したデータを、ITシステムと連携できるようなデータ連携基盤を導入します。データ連携基盤により、OTデータとITデータを統合的に管理することができます。

4.2 ITによるトレーサビリティの向上

OTで収集したデータをITで集約し、モニタリング、生産管理を行います。
ERPシステムの導入:
企業全体の業務を統合的に管理するERPシステムを導入します。ERPシステムにより、製品情報や部品情報、製造工程情報などを一元的に管理することができます。
SCMシステムの導入:
サプライチェーン全体を可視化し、管理するSCMシステムを導入します。SCMシステムにより、サプライチェーンにおけるトレーサビリティを向上することができます。
MESシステムの導入:
製造現場の情報をリアルタイムに収集・分析するMESシステムの導入も非常におすすめです。MESシステムにより、生産資源の配分の最適化や工程の管理、現場情報の収集が可能です。
業界に特化したプロセス制御システムの導入:
生産プロセスが似通った特定の業界に特化し、全工程を網羅的に統合してデータ管理可能な特定業界特化型のプロセス制御システムの導入が最適です。一言でモノづくりといっても、工業製品や化学製品、食品など業界によって工程や制御が異なります。システム上で、共通する工程やそれらの因果関係も含めてレシピのようにテンプレート管理ができれば、生産管理における全体最適を目指せるだけでなく、新たな製造ライン設計やちょっとした工程変更の工数を大幅に削減可能です。

5. 近年特にトレーサビリティが注目されている業界

食品業界、医薬品業界、自動車業界、電子機器業界、化学物質業界におけるトレーサビリティの重要性を、具体的な規制名を交えながら詳しく解説します。

5.1 食品業界:食品安全衛生法に基づくトレーサビリティ義務

食品業界では、食品偽装問題や異物混入問題などが発生しており、消費者の安全・安心への意識が高まっています。こうした背景を受け、2006年に施行された食品安全衛生法に基づき、食品事業者はトレーサビリティシステムを構築することが義務付けられています。 トレーサビリティシステムでは、食品の原材料の産地や製造過程、流通履歴などを記録・管理することが求められます。これにより、問題が発生した場合に迅速な原因究明と回収が可能となり、消費者の安全を守ることができます。

  主な関連法令
  • 食品安全衛生法
  • 農林水産省「食品のトレーサビリティ制度の概要」

5.2 医薬品業界:医薬品医療機器法に基づくトレーサビリティ義務

医薬品業界では、医薬品副作用問題などが発生しており、患者の安全を守るためにトレーサビリティが重要視されています。医薬品医療機器法に基づき、医薬品販売業者は医薬品の流通履歴を記録・管理することが義務付けられています。 近年では、医薬品の安全性確保のために、医薬品の製造過程におけるトレーサビリティも強化されています。医薬品製造業者は、医薬品の製造履歴を記録・管理することが求められています。

  主な関連法令
  • 医薬品医療機器法
  • 厚生労働省「医薬品のトレーサビリティシステムについて」

5.3 自動車業界:リコール制度に基づくトレーサビリティ活用

自動車業界では、リコール問題などが発生しており、製品の品質管理を強化するためにトレーサビリティが重要視されています。自動車メーカーは、車両の製造履歴や販売履歴を記録・管理し、リコール対象車両を迅速に特定・回収することができます。 近年では、自動車の安全性を向上させるために、車載機器のトレーサビリティも強化されています。車載機器メーカーは、車載機器の製造履歴や販売履歴を記録・管理することが求められています。

  主な関連法令
  • 道路運送車両法
  • 国土交通省「自動車リコール制度」

5.4 電子機器業界:電気用品安全法に基づくトレーサビリティ義務

電子機器業界では、偽造品や模倣品の問題などが発生しており、ブランドイメージを守るためにトレーサビリティが重要視されています。電気用品安全法に基づき、電気用品販売業者は電気用品の流通履歴を記録・管理することが義務付けられています。 近年では、電子機器の安全性確保のために、電子部品のトレーサビリティも強化されています。電子部品メーカーは、電子部品の製造履歴や販売履歴を記録・管理することが求められています。

  主な関連法令
  • 電気用品安全法
  • 経済産業省「電気用品のトレーサビリティ制度」

5.5 化学物質業界:PRTR法に基づくトレーサビリティ義務

化学物質業界では、化学物質事故などが発生しており、地域住民の安全を守るためにトレーサビリティが重要視されています。PRTR法(特定有害物質排出量届出法)に基づき、化学物質を製造・使用している事業者は、化学物質の排出量や排出経路に関する情報を記録・管理し、国に届出することが義務付けられています。
近年では、化学物質の安全性確保のために、化学物質の製造過程におけるトレーサビリティも強化されています。化学物質製造業者は、化学物質の製造履歴を記録・管理することが求められています。

  主な関連法令
  • 特定有害物質排出量届出法
  • 環境省「PRTR制度について」

6. 【事例】MESソリューション導入による醸造所IBBLにおける追跡・トレーサビリティの精度と効率の向上

6.1 導入の背景

Carlsberg Israelで知られるイスラエルの醸造所、IBBLは、複数の原料サプライヤー、製造拠点、販売拠点を持つ複雑なサプライチェーンを運営していましたが、従来のシステムは手動でのデータ入力や紙ベースの記録に頼っており、追跡・トレーサビリティの精度と効率が高いとは言えませんでした。また、食品安全に関する厳しい規制を遵守する必要があり、顧客に製品の起源と品質に関する透明性の高い情報を提供する必要もありました

これらの課題を解決するために、IBBLはProLeitのMES内蔵プロセス制御システム「Plant iT」を導入しました。製造工程全体を可視化し、リアルタイムでデータ収集・分析を行うシステムです。導入により、IBBLは以下の効果を得ることができました。

6.2 原料の受け入れから製品の出荷までの全工程を可視化

IBBMは、原料の受け入れから製品の出荷までの全工程を自動的に追跡し、リアルタイムでデータ収集・分析が可能になりました。これにより、以下のような情報を簡単に把握することができます.

  • 原料のロット番号、産地、仕入先
  • 製造工程における各工程の開始・終了時刻、作業時間、使用機器
  • 製品の出荷先、数量、納期
製造履歴の迅速かつ正確な把握、サプライチェーン全体の効率な管理、不正行為の防止が実現されました。

6.3 自動化されたデータ収集と分析

バーコードスキャナーやRFIDタグなどの自動認識技術を活用し、手動でのデータ入力の必要性を大幅に削減しました。また、収集されたデータを自動処理し、以下のような情報を取得可能になりました。

  • 製品歩留率
  • 製造工程におけるボトルネック
  • 原料の品質管理指標
これらの情報の収集・分析は、生産性・品質の向上、コスト削減に繋がります。

6.4 トレーサビリティシステムの自動化

トレーサビリティシステムの構築と運用を自動化しました。これにより、IBBLは以下3つのメリットを得ることができます。

  • システム構築・運用にかかる時間とコストの削減
  • システムの精度と信頼性の向上
  • 規制要件への迅速な対応

6.5 サプライチェーン全体のパートナーとの連携

サプライチェーン全体のパートナーとのスムーズな連携が可能になりました。これにより、IBBLは以下のメリットを得ることができます。

  • サプライチェーン全体での情報共有
製品の製造履歴、在庫状況、納期情報などの情報をパートナーと共有
  • サプライチェーン全体の効率化
パートナーと協力して、物流の最適化、在庫管理の効率化、生産計画の立案
  • 顧客満足度の向上:顧客に製品に関する透明性の高い情報を提供
IBBLは追跡・トレーサビリティの精度と効率を大幅に向上させ、製品品質の向上、生産性の向上、コスト削減、顧客満足度の向上、規制遵守を達成しました。

7. シュナイダーエレクトリック トレーサビリティ向上 ラインナップ紹介

7.1 DXコンサルティングサービス

シュナイダーエレクトリックは自らがメーカーとして製品を生産・出荷する工場や物流拠点を持ち、自社のソリューションを導入してそのスマート化を進めてきた実績を持つ会社です。工場向けのハードウェアだけでなくソフトウェアを幅広くラインナップしていることから、お客様にソリューションとして製品をご提供可能です。
スマートファクトリーの定義を5つに分け、お客様の真の課題を現地調査で分析、お客様のビジネス上のゴールを明確にした上で最適なロードマップの提案をいたします。

シュナイダーエレクトリックが製造業界に対して貢献できること

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      7.2トレーサビリティ向上を実現!ProLeitブランド プラントレベルスタート

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