APCブランドUPSにおけるバッテリー寿命に影響する主な要因を説明します。
バッテリーは使用しているうちに徐々に劣化していきますが、バッテリーの寿命に影響する要因は大きく分けて2種類あります。
1.電気的使用状況 (充放電回数および放電の深さ)
供給電源のふらつきなどにでUPS (無停電電源装置)がバッテリー運転に頻繁に切り替わる環境の場合には、
バッテリーの充放電を繰り返すことで、バッテリーの劣化が早まる大きな原因になります。
UPSは万一の停電が発生した際にバッテリーから電源を生成することで、
UPSに接続されている負荷機器の突然停止を防ぎ、
必要な場合には安全にコンピューターをシャットダウンさせるためのバックアップ電源を担う装置です。
電源が常時不安定な環境の場合は、短時間のバッテリーの充放電を繰り返すことになり、
想定以上の短期間でバッテリーが劣化、交換が必要になることから、
地域の電力会社もしくは電気工事担当会社にご相談のうえ、電源環境を改善していただくようお願いします。
また、設備の電源を落として、頻繁に長時間バッテリー運転にするような運用についても
バッテリーが早期劣化してしまうこと、設計上、想定していない長時間停電が繰り返される使用環境となり、
サポート外になるにご注意ください。
設備の電源を落とす際には、先にUPSの電源を落として、バッテリー運転にならないように運用ください。
2. 周囲温度 (UPSの周囲温度が20〜25℃になるよう空調が有効に効いている環境が最適)
UPSの使用可能周囲温度は0〜40℃ですが、UPSの推奨使用環境温度としては、
サーバールームのような20〜25℃で空調が有効に効いた環境を想定しています。
バッテリー寿命は周囲温度が10℃上昇するごとに半減する(急速に劣化する)性質を持っています。
20〜25℃で空調が有効に効いている環境に対して、30℃, 40℃と温度が高い場合にはバッテリーの寿命は減少します。
環境温度 (室温)ではなく、UPSの周囲温度を20〜25℃で保つように
コンピューターの廃熱などを受けないよう、ラックマントで温度の高い機器の上下段に配置しないように注意していただくことで、
バッテリーを長く健全な状態でお使いいただけます。
なお、バッテリーは上記の条件にかかわらず、経年によって性能は低下していきます。
予防保全のためにも、バッテリーは必ず定期的に交換してください。
APC UPS バッテリーの定期交換について を参照ください。